2009年08月29日

[Mac] iPhotoのアルバムがiPhoneに同期できない

先日、iPhotoをv8.1にアップデートしてから、iPhone(v3.0.1)とアルバムの同期ができなくなっていました。 ずっと原因が分からなかったんですが、やっと分かりました。 「iPhoto側にiTunesの音楽をつけたスライドショーを作っていると、iTunes側でアルバムを選択して同期することができない」ようです。

該当するスライドショーは一つしかなかったし、すでにiDVDに取り込んであるので削除してみたところ復旧しました。

バグですね、こりゃ。
Apple Discussions - iPhone sync unkown erro (-50) and albums not shown to select
アメリカの解決策を見つけてくれたユーザさん、ありがとう。

(検索してくるヒトのため)症状はこんな感じでした↓
なお、普段は英語で動作させているので正確な日本語のメッセージがわかりません。もしかすると英語モードでしか発生しないのかもしれません。

  • 「不明なエラー(-50)が発生しました」と出て同期できない
  • 「□写真を同期する」というチェックボックスが外れている
  • 「■写真を同期する」というチェックボックスをONにしても同期元にiPhotoの「◎選択したアルバムを同期する」というラジオボタンが選べない(フォルダは選択できる)
iTunesのバージョンはv8.2.6、iTunesのバージョンはv8.1、Mac OS Xのバージョンはv10.5.8とv10.6(Snow Leopard)の両方で発生してしました。iTunesをソフトウェアアップデートで行進する前は同期できていました。

posted by ほんのしおり at 01:47| Comment(3) | TrackBack(0) | パソコン・インターネット

2009年08月23日

[書評] 福岡 伸一 / 『世界は分けてもわからない』

世界は分けてもわからない (講談社新書) 福岡 伸一 / 『世界は分けてもわからない』 / 2009-06 / 講談社新書 / B+

前著『生物と無生物のあいだ』『できそこないの男たち』に続く科学エッセイ第三弾。
これまた面白かった。
タイトルは漢字をそろえた方がよかったかな。「分けるは分かる」への異義申し立てなのだから。

全体とは部分の足し算ではない。たとえ解像度を上げて「部分」を細かく細かく分析して行ったところで「全体」には到達できない。
これはずっと一貫した著者の主張だし、現代科学の限界に対してその限界に自覚的になろうという戒めでもある。 『生物と無生物のあいだ』では「動的均衡」という概念が提唱されていたけど、今回は「空目(そらめ)」と「時間」、「がん細胞」が加わっている。

空目(そらめ)というのは空耳をもじった概念。ある音(の連なり)がまったく違う音(言葉)に聞こえてしまうことを空耳というけど、聴覚の空耳に相当する視覚の空目もあるんだ、という。
いわゆる目の錯覚もそうだし、意味のないランダムなパターンに人の顔を見いだしてしまうことや、数学的に滑らかなグラデーションにジャンプを見いだす一方でランダムなノイズの混ざったパターンを滑らかと感じることなどを説明してくれる。
かなり洗いモザイクでも絵として認識できる例など挙げつつ、こう指摘する。

ヒトの眼が切り取った「部分」は人工的なものであり、ヒトの認識が見出した「関係」の多くは妄想でしかない。
私たちは見ようと思うものしか見ることができない。そして見たと思っていることも、ある意味ではすべて空目なのである。(p.163)

時間については「動的均衡」とも繋がっていて、顕微鏡などでみた「事実」は時間軸にそった変化を切り捨てたある時点の静的状態でしかないこと、つまり「事実の一側面」でしかないことへの警鐘。
面白いことに、人類が持っているテクノロジーの中で映像を再生できるようになったのは本当にごくごく最近のこと。研究の中で、ミクロの世界で、それが使われるようになったのも本当にごくごく最近のこと。
ある一時点の「状態がどうか」(だけ)ではなくて「ある状態から別の状態への変化がどうか」に意味があるという主張。

がん細胞の話は、福岡さん得意の比喩的な表現方法がかえって「本当かな」と眉唾モノに聞こえてしまって「面白いけど信じがたい」。
曰く、「がん細胞とES細胞は紙一重」。
正常な細胞は分裂し増殖していく時に「周りの空気を読んで」自分がどんな細胞になるのかを知るし一定のペース以上で分裂しないようになる。がん細胞とES細胞は空気を読まないという点で共通しているんだとか。

細胞を足し算したものは果たして生命なのだろうか。細胞を分解していくと分子原子になっちゃうし、宇宙の大きさから見た人間一人は細胞の一つに見えなくもない。 そんな発想で作製された映画も本書には紹介されてます。YouTubeにその映画"Powers of Ten"があるのでリンクしておきます。

Amazon.co.jp: 『世界は分けてもわからない (講談社新書)』

posted by ほんのしおり at 19:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌

[書評] 森 浩美 / 『家族の言い訳』

家族の言い訳 森 浩美 / 『家族の言い訳』 / 2008-12 / 双葉文庫 / E

これほどひどい作品って滅多にないな、でも既視感があるなぁと思ったら、内館 牧子 『必要のない人』でした。
すらすらと読める。だけど薄っぺら。『必要のない人』は(テレビの)脚本家だけどこちら『家族の言い訳』は作詞家。帯に曰く「感動」「泣ける」。作者初の短編集。

私はこういう系統の作品が苦手だ、ということがよくわかりました。苦手というよりはむしろ憎んですらいますね。物語の何かが結果として感動を呼ぶのではなく、最初から読者を感動させることを目的としてあの手この手で策を弄しているような作品が。 念のため補足。本書は帯によれば10万部突破している(半年以上にわたって売れている)ベストセラー作品です。

Amazon.co.jp: 『家族の言い訳 (双葉文庫)』

posted by ほんのしおり at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌