2006年08月06日

高安 秀樹 『経済物理学の発見』

経済物理学の発見高安 秀樹 / 『経済物理学の発見』 / 2004 / 光文社新書 / B

現代物理学の成果を経済学に適応してみると、これまでの経済学がうまく説明できなかった現象をうまく説明できるのですよ。為替の変動やヒット商品が生まれる理由、などなど。海岸線や樹形のように、どこまで拡大しても、あるいは縮小しても、同じ形が繰り返し現れるフラクタル(数式化されている)。これが為替レートの変動にも現れるんだとか。一日の中の変動と一月の変動と一年の変動と十年の変動のグラフを拡大したり縮小してみると、同じ形が見えるんですよ。

へぇ〜。読んでいてへぇ〜の連続。とても面白かった。そもそも経済学を知らないので「皆さんが信じている経済学は間違ってます」といわれてもあまり感心しないのだけれど、そして現代物理の方もこれまた不勉強なのですごさがわからないのだけど、同じ現象が見方を変えるとぜんぜん違う姿が立ち上がってくる、というのは私の好奇心のスイートスポットにヒットしました。

この本には欠点もあります。Amazonの書評で次郎太郎さんという方が的確に指摘しているように、「モデルが現実と違うといってモデルを批判するおろかさ」があります。

(実は昨日の勉強会で先生に教わったことなのですが)モデルというのは現実を抽象したものであり、現実ではない。現実をいったん離れて、こういう条件(変数)ではこういう関数(理論)が成り立つ、といっているに過ぎない。モデルをすべてだと思うことも間違いだし、モデルが現実と違うと文句をいってモデルを捨てることも間違っている、と。

はい。それはその通りです。しかし、同時に、モデルがうまく現実を説明できなくなったり、将来を的確に見通す道具として使いにくくなったのであれば、モデルのバージョンアップも必要です。具体→抽象→具体への適応→さらなる抽象・モデルの修正という具合に。

先生は「あんなものは(ちょっと前にはやった)複雑系とおんなじことでしょ」と一刀両断でした。はい、その通りです。本書では「これまでの経済は比例的な変化や正規分布を前提としていたが、現実は指数関数的に変化したりべき乗分布である」といったことが述べられています。私にはそれが新鮮で面白かったのですが、周辺をちょっと調べてみると「発見」というのは大げさかなという気もします。

Amazon.co.jp: 『経済物理学の発見』

posted by ほんのしおり at 23:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌
この記事へのコメント
香川県さぬき市長尾 ルーちゃん餃子のフジフーヅは入ったばかりのバイトにパワハラの末指切断の大けがを負わせた犯罪企業.中卒社員岸下守(現在 鏡急配勤務)の犯行.
Posted by at 2020年06月28日 13:09
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