携帯メールの使い方や文体が会話や思考にも影響する、云々という記事を最近立て続けに目にしたので。
まずは、松村太郎さんのCNET Japan Blog - ケータイ時代のスタンダード:『「泣き顔」 - 会話表現に入り込むメール表現』から。
先日原宿を歩いていたら、(略)女の子の口から妙なフレーズが出てきた。
「幼稚園でお砂遊びしてたら雨降って来ちゃったの泣き顔。」
(略)
こどもが口に出して喋っていたのは、ケータイのメールなどで使われるある種の文法の基本みたいなモノ、つまり句読点を文脈に沿った(もしくは自分のトレードマークみたいな)絵文字に置き換えていく文法を、そのまま読んでいるのだ、と分かる。微妙なニュアンスや表情を文章に織り込むことが出来る絵文字によるデコレーションを、自分の会話に採り入れているのだ。
書き言葉が話し言葉に影響されて、、、というのは割りと目にしますが、話し言葉が書き言葉(?)に影響されて変化していくというのは珍しい現象なのでは、とびっくり。
小さい女の子が自分で携帯を使っているとは思えないので、お母さんからの影響でしょうか。
そして、バンダイネットワークスによるアンケート調査、
<中高生の携帯電話メール/メールアドレスに関する調査>の結果。
1 日に携帯電話で受信するメールの数は、「41 通以上」が30%と、非常に多いことが分かります。しかし、その内訳として、企業からのお知らせメールやメールマガジン等の受信数は「1〜5 通」が60%と、全体のメール受信数に対してはさほど多くありません。
アンケートでは明示されていませんが、おそらくほとんどは友達や仲間同士のメールですね。
そして、我が内田樹さんの「内田樹の研究室 - 日本語壊滅」とそこで知った日本語学のゼミで行われた携帯メールによるコミュニケーションの実態調査。
こちらの研究は大学生を対象に、日本語テストで「中学生レベル」「高校1年生レベル」「高校3年生レベル」と分類して、一日のメール送受信回数を調べたらとっても高い(マイナスの)相関関係があった、とのこと(国語力の低さと回数の多さが比例する)。
頭で考えてゆっくり伝えることより、その場で感じたことを短いフレーズや絵文字でぱっと伝えること。これは確かにコミュニケーションのひとつではあるけど。
そして「おはよう」とか「最近どう?」という挨拶は、「あなたのことを認知していますよ」と伝えることが一番大切なのであって、それ以上でもそれ以下でもない、ということを頭では理解していても。
仕事では毎日数百通のメールを受け取っていることを何とも思っていないのに、毎日数十通の携帯メールと聞いて驚いたりそりゃそうだろうと思うのはおかしいのだけど。
何か決定的に変わりつつあるな、と思わずにはいられない。
ラカンなら何というだろうか。
象徴界の力が弱くなっている、とか?
posted by ほんのしおり at 02:13|
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