2008年11月10日

iPhoneがなおりました(笑)

結論を先に言うと、機器交換でなおりました。

最初に購入した家電量販店に持って行ったのですが「うちでは対応できません」と言われてソフトバンクショップへ行きました。アップルストアに行くのがいいのかも迷いましたが、このあたりは少々分かりにくいですね。

お店で症状を伝えたところリカバリができないところまではその場で確認してくれて、その上で「フルリカバリ(?)も試してみたいので一時間ほど欲しい」と言われました。結局そのフルリカバリなる操作をしても復旧できず、機器交換になりました。原因はわからずじまいです。

で、電話は使えるようになったんですが、電話帳もメールも使えないし、ありとあらゆる設定とデータがないので「電話の着信」以外なにもできません。これにはまいりました。機能だけあっても役に立たないというのは、(IT系のエンジニアとして)仕事柄分かっているつもりだったのですが他人事ではなく自分事として身にしみました。

さらにびっくりしたのが、iTunesに接続して同期したら(時間はかかったものの)電話の着信発呼履歴までふくめてきれいに普及したことです。よくできているなぁ・・・と思っていたら落とし穴。メールのパスワードが空になっています。なぜか分かりませんが、Gmailは手入力したらすぐ使えるようになったのに、ソフトバンクのEメール(i)はダメです。センター側でパスワードリセットしてもダメ。

最終的には、メールのアカウント設定を丸ごと削除して新規に作成したら無事に復旧しました。これまた面白いことに、メールがIMAPなのでやっぱり送受信履歴が全部センター側に残っていて、「クラウドコンピューティング」のありがたさと怖さを同時に体験しました。

最後に落とし穴を紹介しておきます。 機種交換して渡されたのは、Ver2.0の古いものでした。 このままだとiTunesで「古いから同期できません」というエラーになり先に進めません。
さき的視点@livedoor: iPhoneのリカバリーモードを参考にリカバリ+バージョンアップを行いました。

  1. iPhoneの電源をOFFにする。スリープではダメで、スリープボタンを長押しして電源を切る必要があります。
  2. iPhoneのホームボタンを押しながらコンピュータと接続する。
  3. iTunesがリカバリモードのiPhoneを認識したら、ホームボタンを離す。
  4. 後は画面の指示に従うだけ。
ファームウェアのバージョンアップはすぐ終わりますが、データの同期にはかなり時間がかかりますね。 私は16Gで8GBくらい使っているのですが、同期には3時間くらいかかったのではないかと思います(途中であきらめて寝てしまったので分かりません)。

やっぱりiPhoneは携帯電話というよりは小さなパソコンに通話機能がついたモノ、です。誰にでも勧められるものではないですね。でも、それをわかって使う分にはとってもいい相棒です。
今回のことでiPhone(アイフォーン)のアイは相棒のアイ、って感じました。

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2007年08月13日

上橋 菜穂子 『精霊の守り人』

精霊の守り人 上橋 菜穂子 / 『精霊の守り人』 / 2007-03(2006) / 新潮文庫 / A-

とある時代のとある架空の王国で発生した大事件。 それを解決するのは、不幸な出自を持つ、だけどその後たくましく成長した身分の低い流れ者。 だけど、助けてもらった王子様は身分の違いを超えて大切なものに気がつくのでした。

これは意地の悪い要約。 こうやって書いてみるとどこがいいの?となるのだけれど、これがいいんですよ。

読みながら何度も頭をよぎったのは、竹内聖の『巡検使カルナー』シリーズ。 確かに同じファンタジー系のジャンルだし、起こる出来事も同じような感じだし、道具立てもよく似ているし、人によっては両方が好きになるだろうけど、それでも私はこの二つの作品に大きな大きな違いを感じました。

『巡検使カルナー』シリーズでは、主人公に危機が訪れるのは読者をハラハラドキドキさせるためでした。 場を盛り上げるためでした。
『精霊の守り人』では(もちろん、上記のような側面はありますが)、主人公たちを成長させるためです。 成長のための試練。そう、由緒正しく滅びつつあるビルドゥングスロマンの息吹がするのです。

そして、架空の世界の作り方。
『巡検使カルナー』シリーズの世界はどこかゲーム(紙か電子ゲームかを問わず、RPG)の世界から借りてきた世界という感じがします。
『精霊の守り人』の世界は、著者が文化人類学者(アボリジニーが専門)ということだけあって、世界中の(創世)神話から借りてきた世界という感じがします。
ゲームをおとしめる意図はありませんが、どちらにより人類の英知が豊かに含まれているかと言えば比較するまでもありません。

表面的には同じように見える二つの作品の大きな違い、それは背景にある奥行きなのかもしれません。
新潮文庫の夏の百冊にも取り上げられていますが、年齢を問わずお薦めの本ですね。

Amazon.co.jp: 『精霊の守り人』

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2006年06月11日

北村 薫 『街の灯』

街の灯北村 薫 / 『街の灯』 / 2006(2003) / 文春文庫 / C


「円紫さんと私」シリーズ、「覆面作家」シリーズに続く、第三のミステリーシリーズ。時は昭和七年。主人公は上流家庭花村家の令嬢英子と女性運転手ベッキーさん。


ごめんなさい。内容とまったく関係のないところで「令嬢」という設定に体(?)が拒否反応を示してしまって楽しめません。謎解き(ミステリー)そのものや、主人公の背筋の伸びたまっすぐな生き方はとっても好感が持てるのですが。


最近喧伝されている「格差社会」ではないのですが、生まれながらに恵まれた環境にあるお殿様とかお嬢様とかいった設定だけで反発を感じてしまって。貫井徳郎が「舞台を現代社会に置くと『そんな人いねーよ』となってしまうため」だと解説していますが、ダメです。水村美苗の『本格小説』みたいに特権に釣り合った苦しみを描いてくれるとバランスがとれるんですが、ふわふわちゃらちゃらしたところばかり鼻についちゃって。


Amazon.co.jp: 『街の灯

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