2011年03月28日

現地に行かなくてもできる支援の方法

3月11日に起きた大地震と津波と原子力発電所の事故。

どれか一つでも大変な災害なのに、三つも重なってしまい、被災された方にはお見舞い申し上げます。



私の大学時代の後輩(※)が、そんな被災者の一人であり、そして復興のための活動を行っているということがわかりました。彼に「現地に行かなくてもできる支援の方法」を教えてもらいましたのでこちらで紹介します。
送ってもらったメールをほぼそのまま引用しているので、文中の「私」とは後輩のことです。
転載歓迎ということですので、どんどん知人友人にご紹介ください。



(※)彼の自己紹介:せんだい・みやぎNPOセンターという中間支援NPOで働いています。
平たく言うと、NPOの活動を支援するNPOです。
こういう事態ですので、今は災害救援活動を行なうNPOの後方支援をしています。
県外から来ている災害救援団体の現地でのコーディネートや情報提供などです。



では、お金編、モノ編、ヒト編の3本立てでご紹介します。

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posted by ほんのしおり at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき

2011年02月13日

[書評] 山浦 玄嗣 / 『父さんの宝物』

父さんの宝物 山浦 玄嗣(やまうら はるつぐ) / 『父さんの宝物』 / 2005(2003) / イー・ピックス出版 / A

ケセン語聖書の著者(訳者?)でもある山浦玄嗣のエッセイが一冊の本にまとまったもの。いやはや奇想天外な子育てっぷりが面白かった。

何しろ子供の数は8人。 そして著者は幼くして父親を亡くし、現実の父親を知らないまま、耳学問の理想的な父親像を目指す。 そりゃ大変だ。 一切手を抜かずに、全力で仕事にも家族にも向かっていったんだろうな。

しかし、その父親も一朝一夕にそのような父親になるのではない。父親はみずから父親になるのではなく、子どもによってむりやりに父親にならされるのである。父親は子どもの偉大な師であるが、子どもはじつは父親の生みの親である。(p.3)
これは言われてみるとその通り、ですね。

ケセンとは岩手県の気仙地方のこと。 「ナザレという田舎で育ったイエス様はズーズー弁をしゃべっていたに違いない、訛っていたはずだ」 という信念のもと、共通語ではなく方言で聖書を書き直してびっくり(でも納得)させたのが著者と『セケン語訳新約聖書』。 そしてその聖書が生まれたきっかけが本書に登場する。子どもへの語り聞かせだったという。 仏教の良寛さんではないけれど、子どもにまっすぐ届く(届ける)ために、ごまかしではない分かりやすさを追求したら大人も喜んだっという話し。

タイトルの「宝物」はケセン語で「子ども」という意味だそうで、それもまた暖かい話し。

Amazon.co.jp: 『父さんの宝物』

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2010年10月11日

[書評] 万城目 学 / 『鹿男あをによし』

鹿男あをによし 万城目 学 / 『鹿男あをによし』 / 2010-04(2007-04) / 幻冬舎文庫 / C+

登場人物よし、ストーリーよし、作品世界よし。 とても楽しめたんだけど、なかなか面白くならないことが欠点でしょうか。
すでに著者、万城目学のファンで2冊目以降として手にとる方にはいいのかもしれませんが、前半2/3が少々退屈です(後半1/3はとっても面白く楽しめるのですが)。

歴史ファンタジー小説とでもいえばいいんでしょうか。
鹿/狐/鼠は神様のお遣いで、定期的に日本列島の地下に眠るナマズが暴れないように鎮める儀礼を行っているからこの世が平和だという(現代科学の視点からすれば)荒唐無稽な、だけど、陰陽道や風水、民間信仰としてはあり得るお話しが舞台背景になっています。
それを、女子高生の青春や先生たちの恋話を含めた人間模様から、卑弥呼の秘密まで、ぜんぜん違うスケールのサイドストーリーとつなげてしまう構成力はお見事です。

夏目漱石の『坊ちゃん』にちなんだ魅力的な登場人物たち、あ〜あれはそういうことだったのか〜、後半になると一気に回収される伏線、奈良(今年の始めに旅行してきました)の魅力が伝わってくる筆づかい、それらもこの作品の魅力です。

ただ、どうしても「(技術的に)うまいなぁ」とは思っても「心に残る」たぐいの感銘を受けないのです。 エンターテイメント小説なのにそこまで求めますかねと、自分の中のもう一人は抗議していますが、森見登美彦や酒見賢一、仁木英之あたりはそこをうまく両立しているように感じておりますので、そのままここに記す次第であります。 悪しからず。

Amazon.co.jp: 『鹿男あをによし』

posted by ほんのしおり at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌